草柳和之作詞・委嘱/野村誠作曲
「DV撲滅ソング~DVカルタを歌にした」
舞台発表の報告
「DV撲滅ソング」は、人々に勇気を与えるDV防止キャンペーン音楽です。ご家庭で、イベントで、ご活用いただきたい好曲です。
2016年2月7日午後、With You さいたまフェスティバル(会場:With Youさいたま=埼玉県男女共同参画推進センター)の舞台発表として「DV撲滅ソング」を、多くの人に聴いていただきました。
グループで歌うことに賛同した有志(メンタルサービスセンターのスタッフ、他)が、2015年10月より月2回の練習を重ねて本番に臨みました。「DV撲滅ソング」自体は、独唱用として作曲されたものですが、作詞の草柳が斉唱だけでなく、一部にソロを導入して、若干のメリハリをつけました。
写真は、当日の様子です。
会場はフロアのオープンスペースを舞台にしたもので、人通りのある場所だったので、音響のよさは望むべくもなく、演奏条件は良くありませんでした。また、会場にピアノがないため、草柳が事前にピアノ伴奏をテープに録音して、それを流しながらの歌唱でした。なお、画面には映っていませんが、会場では歌詞の順に並べたDVカルタ(読み札・絵札)を同時映写し、聴衆はそれを見ながら聴く趣向で行いました。
《当日の演奏の感想》
DVカルタにメロディーをつけたらどんな感じだろう、内容が内容だけに重く暗い感じなのかなと想像しましたが、聴いてみると被害者の心にスッと入ってくるような歌でした。歌詞は被害者の気持ちを代弁してくれているので、メロディーにのせることで、より心に入り、気持ちが楽になりました。DV根絶を目指し、この歌がより多くの方に周知されることを願います。(DV被害者)
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「うわべの反省 猿でもできる」など、DV加害者によくある共通点を小気味よく指摘している歌詞には、胸がすく思いがした。「DVは社会が許さないのだ。」という強いメッセージが歌詞には込められている。
一方、メロディーはとても美しく、優しく、穏やかだ。そのため、DV被害という当事者にとってはとても辛い経験を歌にしているにもかかわらず、どこか前向きな気持ちになれる。(弁護士・女性)
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「DVカルタ」合唱は、重苦しくなりがちなメッセージをユーモラスに伝えることができる、実にユニークなDV撲滅キャンペーンのツールとして、多くの人々の関心を惹くことができました。会場で、演奏と同時に歌詞のカルタの映像を投影していましたが、そのことにより、聴き取りにくい歌詞がわかりやすくなったと思います。出演した女性の知人がずっと笑顔で歌っていらしたことも、好印象でした。(カウンセラー・女性)
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歌声と曲が美しかったです。とても癒されました。私の体験に近い歌詞もたくさんありましたが、とくに不快に感じずに、気持ち良く聞けました。(DV被害者)
【作曲者紹介:野村 誠】 http://d.hatena.ne.jp/makotonomura/
日本センチュリー交響楽団のコミュニティプログラムディレクター。インドネシア国立芸術大学客員教授、京都女子大学専任講師、京都造形芸術大学客員教授、東京芸術大学講師などを歴任。2003年第1回アサヒビール芸術賞他の受賞歴がある。
1994年にブリティッシュ・カウンシルの奨学金により,英国・ヨーク大学に留学。 1995年,神戸の大震災で被災した人々を元気づけるために,英国・ヨーク市で「神戸のためのコンサート」をプロデュースする。地元の中学生たちが作曲した「アースクエイク」を電話でam神戸に送り,その一部始終が生放送される。これはイギリスBBCラジオで紹介されるほどの大きな反響を呼ぶ。2006-07年、NHK教育テレビの福祉番組「あいのて」の監修を1年間務め、全20回にレギュラー出演し、老人施設での共同作曲活動などが紹介される。美術家、ダンサーとのコラボレーションも多い。
エディンバラ大学、ハダスフィールド大学(英国)、マヒドン大学(タイ)、フォルクヴァング大学(ドイツ)、等でワークショップを行う。竹山国際音楽祭(韓国)、Kontrante Festival(オーストリア)、Facts of Life(英国)等に招待作曲家として参加する。彼の曲は世界20カ国以上で演奏されている。 共著に『老人ホームに音楽がひびく』(晶文社)、『CDで聴く! 音楽療法のセッション・レシピ集-即興演奏ってどうやるの』(あおぞら音楽社) 、他がある。